日本の介護業界は、少子高齢化がもたらす人手不足問題に直面しています。このような状況の中、外国人介護人材の受け入れが、業界の未来を支える新たな手段として注目されています。

特に、特定技能などの在留資格を活用して外国人を採用する動きは、年々活発化しています。しかし、外国人材の採用には適切な準備や受け入れ環境の整備が必要不可欠です。

そこで本記事では、外国人介護人材の受け入れに関する基礎知識から、そのメリットや課題、具体的な準備の流れまでを詳しく解説します。

初めて外国人介護人材を受け入れる施設様に役立つ情報を網羅していますので、ぜひ参考にしてください。

外国人介護人材受け入れの背景

まずは、外国人介護人材を受け入れるようになった背景について、人材不足の現状を解説しつつ、現在受け入れ可能な在留資格についても詳しく解説します。

少子高齢化による人材不足の深刻化


出典:厚生労働省「介護人材確保に向けた取組」

介護業界では、2040年までに約57万人の介護職員が不足すると予測されています。

この問題は、日本国内の労働力だけでは解決が難しく、多様な人材の活用が必要とされています。

そんな中、外国人介護人材は、夜勤や週末勤務にも柔軟に対応できるなど、日本人では補いきれない労働力の空白を埋める存在です。

特に地方の施設では、外国人材の力が施設運営の維持に不可欠となってきています。

多様な在留資格での受け入れが可能

外国人介護人材を受け入れるには、以下の4つの在留資格があります。

・EPA(経済連携協定)介護福祉士候補者
・在留資格「介護」
・技能実習
・特定技能1号

それぞれの制度で目的や特徴が異なり、施設のニーズに応じて選択することが可能です。


出典:厚生労働省「外国人介護人材受入れの仕組み」

特定技能1号:即戦力として働ける在留資格。試験に合格すれば、特定の分野で最長5年間就労可能。
技能実習:技術や技能を学ぶことを目的とした制度で、最長5年間在留可能。(育成就労制度に移行予定
在留資格「介護」:介護福祉士資格を取得した者に付与され、長期的に日本で就労できる資格。
EPA(経済連携協定)介護福祉士候補者:フィリピン、インドネシア、ベトナムとの二国間協定に基づく制度。介護福祉士資格の取得が目的

これらの制度を活用することで、施設の人材確保が大きく進むと考えられています。

外国人介護人材を受け入れるメリット


以下では、外国人介護人材を受け入れる主なメリットについて簡単に解説していきます。

労働力不足の解消

介護業界での外国人材の採用は、労働力不足解消の大きなカギとなります。外国人材は、夜勤や休日勤務といったシフトに柔軟に対応できるため、施設の安定運営を支える重要な戦力となります。

例えば、特に夜間帯や早朝勤務に対応可能な外国人スタッフの存在は、日本人スタッフの負担軽減にも寄与します。これにより、職場全体の働きやすさが向上し、職員全体の離職率低下にもつながります。

多文化共生と利用者満足度の向上

外国人スタッフの温かい対応や笑顔が利用者の心を癒し、施設全体の雰囲気を和やかにするケースは少なくありません

また、多文化的な視点を活用し、利用者に応じたサービスの向上や新しいアイデアの導入も期待できます。

例えば、言語や文化の違いを活かして多国籍な料理を提供したり、利用者にとって新鮮なイベントを開催することも可能です。

職場の国際化

外国人材が職場に加わることで、国際的な視野が広がり、他国の文化や価値観を学ぶ機会が増えます。これにより、職場内のダイバーシティが向上し、新しい視点からの業務改善やサービス向上も期待できます。

外国人介護人材を受け入れる際の課題


一方で、外国人介護人材の受け入れにおいては課題もあります。

言語や文化の壁

言語の壁は、外国人介護人材を受け入れる際に最も多く挙げられる課題の一つです。日本語能力が不十分な場合、利用者やスタッフとのコミュニケーションが円滑に進まず、業務に支障をきたすことがあります

また、文化の違いにより、日本特有の上下関係や働き方に馴染むのが難しいケースもあります。そのため、言語教育や文化理解のサポートが欠かせません

受け入れ体制の整備不足

外国人材が職場にスムーズに馴染むためには、受け入れ環境を整備する必要があります。

例えば、教育担当者の配置や業務マニュアルの多言語化、さらには生活面のサポート(住居手配や行政手続きの支援)が求められます。

外国人介護人材を受け入れるための準備


次に、外国人介護人材を受け入れるための準備について具体的にご紹介します。

採用準備

制度の選択
まずは、特定技能、技能実習、EPAなど、施設のニーズに合った在留資格を選択します。
人材紹介会社や登録支援機関の活用
信頼できるパートナー機関を選ぶことで、採用がスムーズに進みます。特に初めて外国人材を受け入れる場合、専門機関のサポートを活用することをおすすめします。

特定技能人材の受け入れを検討する場合、まずは登録支援機関に依頼することをおすすめします。

受け入れ環境の整備

言語サポート
日本語教育を充実させ、業務指示がスムーズに伝わる環境を整えます。
生活支援
住居の提供や生活に必要なサポートを行い、外国人材が安心して生活できる基盤を作ります。

法的手続き

在留資格認定証明書の申請や、雇用契約書の作成、入国管理局への申請手続きを正確に行いましょう。これらを適切に進めることで、受け入れプロセスがスムーズになります。

なお、ここまでお伝えしたすべてのプロセスについて、特定技能人材の受け入れを検討する場合、すべてを登録支援機関に委託することも可能なため、特に初めての外国人材の受け入れの際は登録支援機関を上手く活用しましょう。

特定技能制度における登録支援機関の役割


特定技能外国人材を採用する際には、登録支援機関のサポートが不可欠です。

登録支援機関は、特定技能外国人材の採用から定着までを全面的にサポートする第三者機関として、多くの介護事業者が利用しています。

入国前の事前ガイダンスや入国時の送迎およびサポート、住居確保や生活支援、日本語教育の機会提供など、外国人介護者が安心して働ける環境を整えるための包括的な支援を提供しています。


全てを自社で内製化することも可能ですが、特定技能外国人材を初めて受け入れる場合は非常にハードルが高く、ビザ申請時の必要書類等も膨大なため、基本的には登録支援機関を利用する事業者がほとんどです。

一部業務を登録支援機関に任せることで、事業者は特定技能外国人材の受け入れに集中でき、外国人材を活用した介護業務をスムーズにスタートさせることができます。

また、登録支援機関を選ぶ際は、介護業界での紹介/支援実績が豊富で受け入れノウハウを持っている事業者を選ぶようにしましょう。

外国人介護人材の採用はFuntocoへお任せ


登録支援機関である弊社「Funtoco」は、特に介護業界における特定技能人材の紹介や支援業務、各種相談業務を強みとしております。

弊社では、累計1,000名以上の特定技能外国人を介護事業者様にご紹介してきました。

日本で初めてミャンマー人の特定技能ビザを介護分野で取得したのも、Funtocoです。

また、圧倒的に高い定着率が強みで、弊社が紹介する特定技能介護人材の定着率は90%以上となっています。

ビザの取得には一定の期間が必要なため、特定技能介護人材の採用を検討したい事業者様は、早めに動き出しておくことをおすすめします。