はじめに

 いざ外国人を雇い入れると決めても、毎日一緒に現場で働く従業員の方々は、まだ外国人と話したことも接したこともないかもしれません。
一緒に働く方との関係は、外国人の定着率に直結するとても重要な部分です。

現場で働く日本人の方々が、外国人の方をきちんと理解できれば、事前に避けられるトラブルも多くあります。
弊社では、年間200名以上の外国人を紹介し、300名以上を特定技能ビザで支援しているからこそ、企業様・現場で働く日本人の方にお伝えすることができることがたくさんあります!
ぜひ、外国人を初めて受け入れられる施設様の日本人の方向け研修として、弊社の外国人雇用研修をご利用ください!!
この記事は、これから外国人雇用を検討中の企業様などの予備知識としてお役に立てばとても嬉しく思います。 

外国人への言葉使い


・単純に、短く話す
 一つひとつの文章はなるべく短く、単純に。例えば「そう言えば、〇〇さんが来週誕生日で、このメッセージカードプレゼントするから、あとで書いといてもらえる?」といった文章も、
「〇〇さんが来週誕生日です」「このカードをプレゼントします」「メッセージを書いてください」と伝えることができます。 


・ゆっくり話す
 当たり前のことかもしれませんが、外国人に説明するときにはゆっくり話しましょう。 
 また、標準語で日本語を勉強した外国人は、最初、関西弁が全然理解できなかったという方もたくさんいます。 
 相手が理解していることを確認しながら、区切りながら説明してくことが大切です。 


・やさしい単語を使う
 なるべく簡単な口語を使うようにしましょう。例えば、「記入→書く」「提出→出す」と言い換えることで理解度が上がります。 
 また、「いらっしゃる」「おっしゃる」などの敬語も日本語初心者の方には難しいです。「来ます」「言ってました」といった簡単な日本語で説明するといいでしょう。 

日常生活の異文化


・トイレの使い方
 日本のようにウォシュレット が完備されている国は少なく、手動で水が出るホースかバケツで水を汲んでお尻を洗う地域もまだまだあります。 
 また、使用済みペーパーは、アジアでは便器に流すと詰まるため、汚物入れにいれます。 
 他の施設様での実例が、女性トイレの汚物入れが毎回使い済みのペーパーで溢れているという問題が発生し、実際は外国人従業員がトイレにペーパーを流せることを知らなかったためそのようにしていたということがありました。 


・人前で怒るのはタブー
 インドネシア、ミャンマーなどのアジアでは、人前で叱る=恥をかかされたと思われています。そのため子供の頃から怒られることに慣れておらず、少し怒られただけでも大袈裟に捉えてしまうことがあります。
   仕事で指導しなければいけないときは、他の従業員の前であからさまに指摘するのではなく別室で行ったり、大声で注意するのではなく冷静に指摘するなど対応することが大切です。 


・飲み会について
 宗教によってはお酒がNGの場合もあります。外国人へのアンケートによると、飲み会は月に1回までがベストといった回答もでています。
また断れないから飲み会に行くという文化は海外にはなく、一緒に働いているから一緒に飲みに行くという感覚もありません。 

日本とは違う?仕事感覚


・時間感覚の違い
 東南アジアでは、15~30分遅れることが当たり前の人もいます。 
 開始時間にはルーズですが、終業時間にはきっちり帰ります。日本では10分前行動など、時間を守ることが当たり前ですが、海外では時間に関して非常にルーズな感覚を持つ方もいます。 
 最初その態度を許してしまうと、日本でもこれでいいのだと思ってしまうので、しっかりと時間厳守のことは事前に話し、合意を取って置く方が「◯◯さんは、いつも遅れる」といった、現場の不満を回避できます。 


・残業について
 日本人は遅くまで働く従業員を美化して評価してしまう傾向がありますが、海外では残業はありえません。
むしろ、遅くまで仕事をしている=要領が悪い。と捉えていて、定時で帰ることを当たり前と思っている国が多いです。 


・物事をはっきりいう
 外国人は、曖昧な表現や相手を気遣って本音を言えないといったことは、あまりありません。
自分の考え、物事をはっきり伝える人がほとんどなので、日本人からすると言い方がきついと感じてしまう時もあります。 
 しかし、それは攻撃しようとしているわけではなく、そういう文化なのだと一緒に働く日本人が理解する、また、その外国人従業員にも、 日本では、こういう風にコミュニケーションを取るといったことを説明することが大切です。 

気をつけたいこと


・職員の方への事前の説明
 外国人雇用にあたって、一緒に働き教育をしていただく日本人職員の方への丁寧な説明、理解がとても重要です。
文化の違い、コミュニケーションの取り方など、事前に職員の方達に周知することで、外国人がスムーズに現場に馴染むことができます。 


・曖昧は指示はしない
 外国人従業員に対して「なるべく早くやって」「今日中に」といった曖昧な指示は避けたほうが良いです。 
 空気を読むといった文化は海外にはなく、外国人は明確な指示を求めます。
「〇時までに終わらせてください」「この仕事が終わったら次は◯◯してください」といった明確な指示をすることが大切です。 
 また、できない事に関してははっきり「NO」と伝え、理由をしっかり説明することで、誤解を回避できます。 


・特別扱いはしない
 「外国人だから仕方ない」と教育を諦めてしまったり、「いちいち説明するのが面倒くさい」と扱ってしまうと本人の為になりません。
また現場の従業員の方の不満も溜まります。時間を守らない、お客様にタメ語で話すなど、明らかなマナー違反は、しっかり注意しましょう。 
 また日本語の間違いも、「こんなこと言ったら傷つくかな。」ではなく、指摘してあげたほうが、本人の成長になります。 

向き合い方


・理解するが、全てを合わせない
 介護施設様等でよくあることなのですが、インドネシアの方がイスラム教だから礼拝室を作って、お祈りする時間を作らないといけないですか??という質問があります。 
 私達はそこまでする必要はないと思っております。日本にきて、日本で働くのだから、日本にある程度合わせて頂く必要があると思います。 

まとめ

 日本で働くのだから日本のルールをしっかり理解してもらう必要はありますが、日本の習慣、文化を押し付けることも良くないと思っています。 
 もし外国人の従業員が新しい、良いアイディアを持っていたら、企業様全体で取り入れていく。といった柔軟な心構えが重要だと私たちは考えます。 
弊社の外国人雇用研修では、内定後、入社前、入社半年後など、それぞれの段階での、現場の方と外国人の方のフォローアップをどのようにしていけばいいのかなどの、 実際の現場で働く方々の生の声をもとにした、内容をお伝えしております。
せっかく、外国人の方を採用して、働いていただくのならば、できるだけ長く、気持ちの良い職場環境で働いてもらいたいですよね。
弊社は、紹介・ビザ取得サポートだけではなく、就労開始してからの企業様、外国人の方の支援を継続させていただきたいと思っています。