- ・入国管理法とは?
- ・難民認定とは?
- ・再入国はいつから?
- ・不法就労した場合は雇い主も罰則を受ける
- ・入管法の改正
- ・特定技能の創設による今後の兆し
- ・まとめ
入国管理法とは?
入国管理法の正式名称は「出入国管理及び難民認定法」です。入国管理法は、出入国管理法、入管法などと呼ばれることもあります。
「出入国管理及び難民認定法」とは、日本に出入りする日本人と外国人、全てが対象とされている法律です。出入国時の管理規制や、難民の認定手続きの整備が目的です。
日本人の場合
出入国の管理が主な内容になります。パスポートにハンコを押し、どこに滞在しているのかを明らかにします。
外国人の場合
日本に入国する外国人が有効なパスポート、ビザを持っているか、滞在予定期間はどのくらいかなどを確認し、問題がないかどうかを確認をします。不法滞在を取り締まることもこの法律がもとになります。難民についても、この入管法によって認定の可否が定められます。
難民認定とは?
難民認定を受けると、永住許可要件の一部緩和や国民年金などの受給資格が得られ、日本国民と同じ待遇を受けることができます。難民認定を申請する外国人は、毎年1万人ほどいますが、実際に認定される人は100人にもなりません。
入国管理法に違反した場合
「退去強制」
何度も不法滞在を繰り返したり、反社会性があると判断されると、強制的に退去させる効力を持っているのが「退去強制」です。一般的には「強制送還」と呼ばれます。
「退去強制」は、自費で出国、運送費用を負担し送還する、国費で送還するという3つの方法で退去強制が行われます。収容施設において身柄が拘束されます。
「出国命令」
不法就労や不法滞在者が、自主的に出頭してきた場合、簡単な手続きを済ませて出国させる制度が「出国命令」です。収容施設で拘束されない代わりに、手続きを済ませて速やかに出国することが求められます。
再入国はいつから?
入国管理法に違反した外国人は、「上陸拒否期間」と呼ばれる、日本に上陸できない期間が設けられます。
退去強制の場合は帰国から5年、出国命令の場合は1年が「上陸拒否期間」に当たります。2度目以降の違反の場合は10年間再入国することができません。
不法就労した場合は雇い主も罰則を受ける
入国管理法に違反していると知りながら、外国人を働かせた場合は雇用主も罰則をうけなければなりません。それが「不法就労助長罪」と呼ばれ、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処すると定められています。
外国人を雇用する場合、本当に働ける資格を持っているかどうか、労働時間の制限の有無などをチェックしておくことがとても大切です。ビザの在留資格をよく確認せずに雇ってしまうと、不法就労助長罪に問われるかもしれません。
入管法の改正
2019年に入国管理法が大きく改正されました。今回の入国管理法の改正の大きなポイントは在留資格「特定技能」の創設です。この「特定技能」の創設の背景にあるのが深刻な労働力不足です。
都市部への一極集中や、少子高齢化による労働力不足の代わりとなる、外国人労働者の必要性が高まりました。「特定技能」の創設によって、特に人手不足が深刻な業種で、外国人が働くことができるようになりました。
特定技能の詳細についてはこちらの記事にまとめております。
「特定技能ビザ(1号・2号)とは」https://funtoco-inc.com/specifiedskilledvisa-overview/
特定技能の創設による今後の兆し
入国管理法改正の目的は在留外国人の増加です。「特定技能」により、これまでできなかった単純労働での雇用が可能になりました。
創設の2019年から5年間で最大345,150人の「特定技能」での在留者を見込んでいましたが、初年度は4000人ほどにとどまり、2020年はコロナウイルスの入国制限や経済の留まりがあったため、思うように受け入れ人数は増えませんでした。
受け入れ態勢が整うまでに時間はかかるかもしれませんが、今後は日本人の若者に代わって、外国人労働者が増えていかないと少子高齢化とともに労働者不足は加速していく一方です。
まとめ
今回は入国管理法について簡単にまとめました。
また、入国管理法の改正の背景には労働者不足が関係しています。受け入れ態勢を整え、仕組みを作ることがこれからの日本の未来につながるでしょう。