就労ビザについてついて詳しく解説

今回は就労ビザについてです!

外国人が日本で働く為には就労資格のあるビザが必要になります。就労ビザとは働くためのビザです。
通常はまとめて「就労ビザ」と呼ばれますが、実は細かく種類があります。仕事内容によって就労ビザの種類が決まります。 そのため仕事に合ったビザを取得する必要があります。
就労ビザの種類(16種類)
教授 大学教授、助教授、助手など
芸術 作曲家、作詞家、画家、彫刻家、工芸家、写真家など
宗教 僧侶、司教、宣教師等の宗教家など
報道 新聞記者、雑誌記者、編集者、報道カメラマン、アナウンサーなど
経営・管理 会社社長、役員など
法律・会計業務 日本の資格を有する弁護士、司法書士、公認会計士、税理士など
医療 日本の資格を有する医師、歯科医師、薬剤師、看護師など
研究 研究所等の研究員、調査員など
教育 小・中・高校の教員など
技術・人文知識・国際業務 理工系技術者、IT技術者、外国語教師、通訳、コピーライター、デザイナーなど
企業内転勤 同一企業の日本支店
介護 介護福祉士の資格を有する介護士など
興行 演奏家、俳優、歌手、ダンサー、スポーツ選手、モデルなど
技能 外国料理の調理師、調教師、パイロット、スポーツ・トレーナー、ソムリエなど
特定技能 特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能/熟練した技能を要する産業に従事するもの
技能実習 海外の子会社等から受け入れる技能実習生、監理団体を通じて受け入れる技能実習生
  就労ビザの中でも今回は代表的な2つのビザについて詳しくご説明いたします!

技能実習

近年、技能実習制度で外国人の受入を行なっている企業などが非常に多いです。
一度はニュースなどで耳にしたことがあるのではないでしょうか?
技能実習制度の概要
  『我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、 開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としている。』
 
このような国際協力という制度の趣旨・目的に反して、国内の人手不足を補う安価な労働力の確保等として使われることのないよう、基本理念として、

①技能等の適正な修得、習熟又は熟達のために整備され、かつ、技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行わなければならないこと
②労働力の需給の調整の手段として行われてはならないこと

が定められています。 つまり、外国人が来日し、日本の企業などで習得した技術、技能を母国へ持ち帰り経済発展を目的とするための制度であり、低賃金で働かせたり、人手不足を補うための労働力として扱ってはいけないですよ、ということです。

しかし、実際はというと、、、

日本人労働者が不足している職種に技能実習制度を用いて、技能実習生を労働力として扱う状況が多くなってしまいました。

一部ではありますが、労働基準法に反する過酷な労働条件に耐えられずに失踪する技能研修生が増え、問題視されました。
それらの問題なども含め、2019年4月に新しく導入されたのが特定技能です。
詳しくは、過去の記事特定技能ビザ(1号・2号)とは?をお読み下さい。
企業単独型と団体監理型
実習生の受け入れには企業単独型と団体監理型の2種類の制度があります。

企業単独型
日本の企業が海外の現地法人、合弁企業等の従業員を受け入れて技能実習を実施する。受け入れに関わる事務作業などは実習実施機関(企業側)がすべて行う。

団体監理型
事業協同組合や商工会等の営利を目的としない団体(監理団体)が技能実習生を受け入れ、人材募集、入国に関する手続きや日本語教育など、監理団体が一貫して行う。
技能実習1号・2号・3号
技能実習1号:技能実習1年目*
在留資格:「技能実習1号イ, ロ」

*最初の2か月は原則として講習期間となり、この期間は雇用関係はありません。

技能実習2号から技能実習3号へは所定の技能検定等(基礎級等)の学科試験及び実技試験に合格が必要です。


技能実習2号:技能実習2年目, 3年目
在留資格:「技能実習2号イ, ロ」
技能実習2号から技能実習3号へは所定の技能検定等(基礎級等)の学科試験及び実技試験に合格が必要です。

技能実習3号:技能実習4年目, 5年目
在留資格:「技能実習3号イ, ロ」
対象国と対象職種
現在の技能実習生度は東南アジア等の計15か国が対象になっています。
技能実習生の国政別人数(平成30年)
ベトナム人 102,996
中国人 48,423
インドネシア人 16,503
フィリピン 19,672
タイ 5,764
ミャンマー 5,251
モンゴル 4,553
カンボジア 904
その他 994
合計 205,060
農業関係(2職種6作業)
漁業関係(2職種9作業)
建設関係(22職種33作業)
食品製造関係(11職種16作業)
繊維・衣服関係(13職種22作業)
機械・金属関係(15職種29作業)
その他(16職種28作業)
規則別表第二第八号の法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める職種及び作業(1職種3作業)
詳しくはこちら技能実習機構で確認できます。 https://www.otit.go.jp/ikoutaishou/

技術・人文知識・国際業務

もうひとつ日本の就労ビザの中で代表的なのが、この技術・人文知識・国際業務です。
下記の職種に従事する場合に技術・人文知識・国際業務を取得する必要があります。
  • 「技術」:IT、エンジニア、システム設計などの理系の仕事。
  • 「人文知識」:貿易、マーケティング、営業などの文系(社会科学分野を含む)の仕事。
  • 「国際業務」:翻訳や通訳、語学講師などの外国人だからこそできる仕事。
  • 申請人の取得要件
    いずれかが必要になります。

    ①学歴
    大学を卒業、若しくは日本国内の専門学校を卒業していること。
    専攻内容と就職する会社の職務内容が一致しているのかがとても重要になりますので、本人が学校でどのような内容を専攻したのかを確認する必要があります。

    ②実務
    大学や専門学校で当該知識・技術の科目を専攻した期間も含めて、従事する職種の実務の経験が10年以上又は3年以上あること。
    外国の文化に基盤を有する思考や感受性を必要とする業務(翻訳、通訳、語学の指導、海外取引業務等)については3年以上の実務経験で問題ありません。
    実務経験で、取得する場合は実務経験の立証をする為に在籍証明書などの書類が必要になる場合があります。
    企業側の取得要件
    ①経営状態
    事業の安定や継続性など、企業側の経営状態は審査で重要となります。
    経営状態良ければ問題ありませんが、実績のない新設会社や赤字が続いている会社の場合は審査が厳しくなります。
    その場合、黒字化をしていく事業計画書などを作成が必要になります。 ②雇用条件
    日本人と同等の雇用条件出なければなりません。
    外国人だからという不当な理由で、給与を下げたり、日本人と異なる雇用条件にしてはいけません。
    よくある質問
    Q. 雇用形態は正社員でないとダメですか?
    A. 契約社員や派遣社員でも可能です。
    Q. 契約期間の制限はありますか?
    A. 継続性という観点からみると雇用期間は1年以上が無難です。ビザの期間は基本的に5年、3年、1年、になります。
    Q. 年金や社会保険はどうすればいいですか?
    A. 日本人と同等に支払わなければなりません。

    まとめ

    技能実習は技能習得のためのビザであり、就労を目的としたビザではない。 就労ビザは知識や技術を習得済みか、実績のある人向けのビザである。 ということがわかっていただけましたでしょうか? 就労ビザは単純労働(専門的な知識や技能を必要としない労働)に含まれる職業で働くことができませんでした。
    しかし、単純労働に含まれる業界では、日本人労働者の人手不足が深刻化しています。
    そこで新たに導入されたのが”特定技能”です。特定技能ビザができたことにより、 介護、宿泊、外食など人手不足が深刻化している業界で外国人が働けるようになりました。