目次
    ・ビザ(査証)とは?
    ・在留資格とは?
    ・在留カードとは?
    ・在留資格認定証明書とは
    ・まとめ

外国人が日本に滞在するためには滞在の資格を持っている必要があります。その中でよく耳にするのが、ビザ(査証)や在留資格、在留カードと呼ばれるものです。今回は外国人が日本に渡航する場合を想定し、それぞれの違いをご説明いたします。


外国人が日本に入国するためには?

外国人が日本に入国するためには、原則としてビザ(査証)が必要になります。(一部の国ではビザが免除されております。)


ビザ(査証)とは?

ビザ(査証)とは、外国人が本国を出国前に、日本への入国許可を証明するために発行するものです。
外国にある日本の大使館や領事館が外国人が所持するパスポートが有効であることをチェックし、日本への入国に問題がないと判断した場合に発行されるものです。パスポートの中にスタンプやシールで貼られるのが主流です。

注意点

・ビザ(査証)が保証するのはあくまでも日本への入国であって、その後の滞在や活動を合法的に保証しているわけではありません。
・自国で発給されたビザ(査証)を持っていても日本への入国を拒否されることがあります。
・ビザ(査証)は原則として、1回の入国に限り有効で、有効期間は発給の翌日から起算して3か月間です。


在留資格とは?

在留資格とは、外国人が日本へ入国後、滞在し活動をするための許可証になります。
在留資格は、外国人が日本へ渡航する際、空港などで入国審査を受けることによって取得することができます。現在、日本には活動の内容や目的によって異なる在留資格が33種類あります。この33種類の在留資格は「活動類型資格」と「地位等類型資格」がございます。

「活動類型資格」

活動類型資格は、外国人が定められた活動を日本で行うことのできる資格です。日本で就労する場合などにあたります。

「地位等類型資格」

地位等類型資格は、外国人が定められた身分や地位によって滞在することができる資格です。永住者や日本人の配偶者などにあたります。



就労が可能かどうかは在留資格によって異なります。大きく下記の3つにわけることができます。

1, 就労可能な在留資格
2, 就労不可の在留資格
3, 制限、条件つきでの就労が可能な在留資格

この中で、留学生や家族滞在の人は資格外活動許可という申請を行えば、特例として働くことが認められる仕組みになっています。このように活動が制限されている背景としては、『留学生』の本業は勉強なので、本来の在留資格の目的から大きく外れないようにと制限が設けられているのです。

注意点

・在留資格と異なる目的をすることはできません。
・在留資格と異なる目的を行う場合は、事前にが在留資格の変更を行わなければなりません。


在留カードとは?

在留カードとは、日本に中長期滞在をする外国人に交付される証明書です。日本に適切に滞在をしていることを証明するものになります。
在留カードには、氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間、就労の可否など、法務大臣が把握する情報の重要部分が記載されています。
記載事項に変更が生じた場合には変更の届出を義務付けており、常に最新の情報が反映されることになります。また、16歳以上の方には顔写真が表示されます。
発行された在留カードは必ず携帯して保持しなければなりません。


中長期滞在者に該当するもの
① 「3月」以上の在留期間が決定された人
② 日本人の配偶者や定住者、永住者
③ 日本で就労や実習を目的として滞在する人
④ 留学生


中長期滞在者に該当しないもの
① 「3月」以下の在留期間が決定された人
② 「短期滞在」の在留資格が決定された人
③ 「外交」又は「公用」の在留資格が決定された人
④ ①から③の外国人に準じるものとして法務省令で定める人
⑤ 特別永住者
⑥ 在留資格を有しない人 (不法滞在者)



在留資格認定証明書とは

在留資格認定証明書とは、外国人が「短期滞在」以外の在留資格で日本に上陸しようとするときに、申請に基づき法務大臣が在留資格に関する上陸条件の適合性を審査し、その外国人の行おうとする在留資格に適合することを証明する文書です。


在留資格認定証明書には、外国人が日本に入国した後に、就労や留学などの「在留資格が決定される見込みである」ことを証明する引き換え証のような機能があります。

短期滞在で入国する場合を除き、現在海外に住んでいる外国人を、日本に呼び寄せる場合などに「在留資格認定証明書の交付」を受けるのが一般的です。

・海外に住んでいる外国人を社員として内定し、日本に呼び寄せる場合。
・配偶者を呼び寄せることが可能な在留資格を有している外国人が、配偶者や子供を日本に呼び寄せる場合。

などが挙げられます。

外国人が、在留資格認定証明書を日本国領事館等に提示して査証の申請をした場合には、在留資格の事前審査を終えているものとして扱われるため、ビザ(査証)の発給に係る審査が迅速に行われます。
また、出入国の際に在留資格認定証明書を提示する外国人は、入国審査官から在留資格に関する上陸条件に適合する者として取り扱われますので、上陸審査も簡易で迅速に行われます。


注意点

・在留資格認定証明書は発行されてから、3ヶ月以内に入国をする必要があります。
・在留資格認定証明書の交付を受けても、必ずビザ(査証)の発給がされるという訳ではありません。


まとめ

ビザ(査証)とは、日本に入国することを許可した証明です。
在留資格とは、日本に滞在し、特定の活動をを許可した証明です。
在留資格は外国人、一人一人に1つずつ付与されるもので、一人に対して複数の在留資格が与えられることはありません。
在留カードは、短期滞在者以外は必ず与えられ、肌身離さず保持しなければならないという義務があります。
ビザ(査証)と在留資格は正式には区別しますが、厳密に正しく区別することよりも、日本に滞在している外国人がどういった目的で日本に滞在しているのか、どういった活動内容が許可されているのかが重要です。外国人を雇用条件する場合も必ず在留資格や在留期限の確認はしなければなりません。不法就労で雇用していたなどのトラブルを避けるために、必ず在留カードの確認をしましょう。