日本国内の人手不足が深刻化する中、特定技能ビザを活用した外国人労働者の採用は、多くの企業にとって魅力的な解決策となっています。特にミャンマーからの人材は、その若さや勤勉性、親日な国民性などで注目されています。

 

そこで本記事では、ミャンマーに関する基礎情報や最新情報、ミャンマー人材の特徴や採用の流れ及び注意点、そして外国人人材紹介会社(登録支援機関)の役割などについて解説していきます。

 

この記事は、累計1,000名以上の外国人を支援し、特にミャンマー人材の採用を強みとする登録支援機関「Funtoco」が丁寧にお伝えしていきます。


ミャンマーについて


ミャンマーは現時点で約5,700万人の人口を持ち、平均年齢28という若い労働力が経済成長を支えています。

 

宗教は仏教徒が約9割で、国の主要産業は農業、天然ガス、製造業となっています。また、2023年時点のミャンマーの平均月収は547,000 MMK(約3.9万円)、平均年収は6,560,000 MMK(約47万円)となっています。(参考:Average Salary in Myanmar 2023

 

GDP成長率は平均6%以上を記録しており、アジア最後の未開拓市場としてその成長余地に期待が寄せられています。

 

地政学的には、ミャンマーは東南アジアに位置し、中国、インド、ラオス、タイ、バングラデシュと国境を接しており、アジア主要市場への重要なハブとなる可能性を秘めています。

徴兵制導入の影響について


2024年2月、ミャンマー軍事政権は国民に兵役の義務を課す法律を発効し、ミャンマー国内では様々な面で影響が出ています。2024年4月時点では、18歳〜35歳の男性について2年以内の兵役が課されるという内容です(※エンジニアなど専門職の場合は18歳〜45歳まで且つ3年以内)。


ただでさえ不安定な情勢の中での発表であり、これにより労働ビザを含め長期ビザを求めて国外へ逃れる若者が急増しているようです。


今のところ、徴兵制導入によって日本へ働きに来るミャンマー人が減っているなどの情報はありませんが、今後どうなるのかは不透明です。一方、すでに日本に在留しているミャンマー人が、状況の悪化する母国に帰国するというケースは減る可能性があります。


ミャンマーに残した家族を経済的に支えるためにも、そのまま日本に在留し働き続ける選択をする方が多いでしょう。


次章以降では、特定技能ビザで働くミャンマー人について詳しく解説をしていきます。

特定技能ミャンマー人の在留数と産業分野

特定技能ビザで日本に在留するミャンマー人は20236月末時点で8,016となっており、ベトナム・インドネシア・フィリピン・中国に次いで国内では5番目に多い国となっています。

 

また、産業分野別に見たミャンマーの特徴としては、介護分野の割合が高いことです。全体の8,016人に対して介護分野で働く特定技能ミャンマー人は2,877人となっており、全体の約35%を占めています。介護分野での在留数に限ると、ミャンマーはベトナム・インドネシアに次いで国内で3番目に多くなっています。

出典元:出入国在留管理庁 特定技能在留外国人数

ミャンマー人を採用するメリット


特定技能ビザでミャンマー人を採用する主なメリットには、以下のような点が挙げられます。

若くて柔軟な労働力

ミャンマーの人口は若年層が多く、豊富な労働力が大きな特徴です。若い人材は新しい環境や技術に対しての適応力も高いため、日本で働く上でも大きなメリットとなるでしょう。

若年層を受け入れることで、新しいアイデアが社内で生まれる可能性もあります。

勤勉で親日な国民性

不安定な国内政情もあり、ミャンマー人は海外での就労意欲が非常に高いです。また、仏教の精神が強いこともあり、ミャンマー人はとても勤勉で真面目です。年上を敬う文化も強く、親日な国民性も大きな特徴となっています。

これらの特徴は、日本で働いてもらう上で大きなメリットとなるでしょう。

日本語の習得スピード

ミャンマー語(ビルマ語)の文法は日本語と同じSOV型のため、ミャンマー人は日本語の上達が比較的早いと言われています。習い始めて数ヶ月で日本語をある程度話せるようになる人も多く、このスピード感はミャンマー人を採用する上での大きなメリットとなるでしょう。

企業の国際化や多様性の促進

ミャンマー人を採用することで、社内で多文化的な労働環境を作り出すことができ、グローバルな視点を持ったビジネス展開も可能になります。また、日本人社員の異文化間コミュニケーション能力の向上にも繋がります。

異なるバックグラウンドを持つ人材を採用することで、チーム内の多様性が高まり、社内でイノベーションが促進される可能性も高まるでしょう。

新しい市場へのアクセス

ミャンマー人を採用することで、ミャンマー市場やその他の東南アジア市場への理解が深まり、社内で新しいビジネスチャンスを見出すきっかけにもなり得ます。ミャンマー人採用のメリットは単純な労働力だけではなく、幅広い面で企業にメリットをもたらしてくれるでしょう。

ミャンマー人採用における3つの注意点


多くのメリットがある特定技能ミャンマー人の採用ですが、気をつけなければならない注意点が大きく3つあるので、以下で詳しく解説していきます。

ミャンマー現地の送り出し機関を必ず通す

ミャンマーから特定技能人材を採用したい際は、現地送り出し機関を必ず通さなければなりません。また、日本側の受け入れ手続きの委託先となる登録支援機関も基本的には必要になります。

 

日本の登録支援機関とミャンマー現地の送り出し機関は連携しているので、特定技能人材を採用したい際は日本の登録支援機関に問い合わせするのが一般的な流れです。

 

登録支援機関問い合わせ後の流れとしては、まずは現地の求職者を面接して雇用契約書を締結し、出入国管理局から定められた必要書類等を準備して提出します。そこから入管の審査が始まり、在留資格認定証明書をもらうまでは3ヶ月ほどかかります。証明書が発行され次第、現地でビザの手続きが始まります。

スマートカードの手続き

特定技能ミャンマー人の採用で特に注意しておきたいのが、スマートカードの申請です。このスマートカードは「海外労働許可証(OWIC)」と言われており、すべてのミャンマー人が海外労働の際に必要となるものです。

 

スマートカードの発行には3~4ヶ月ほどかかることもあり、在留資格認定証明書の有効期限が発行後から3ヶ月となっているので、事前にスマートカードを申請しておくことが重要なポイントとなります。

採用にかかる費用

特定技能ミャンマー人を企業が採用する際は、さまざまな費用が発生します。代表的なものは、教育や訓練の費用・日本への渡航費用・受け入れ機関への手数料です。

 

特定技能人材の日本語学習の支援や訓練費用など、義務的に発生するものは受け入れ側が費用を負担することがあります。また、日本への渡航費用についても、求職者の実費負担とすると求人応募が少なくなってしまい、採用が難しくなる可能性があります。

 

そして最後は、受け入れ企業や日本の登録支援機関が現地の送り出し機関に支払う手数料です。この手数料は一般的に1,500米ドルとされており、労働者本人が支払うことになっていますが、ミャンマー人にとっては多額の出費であり、受け入れ側で考慮が必要な場合もあります。

特定技能でミャンマー人を採用する流れ

次に、特定技能でミャンマー人を採用する場合の具体的な流れについて解説をしていきます。


特定技能でミャンマー人を採用する際、ミャンマー現地から採用する場合と、すでに日本に在留している人材を採用する場合の2ケースがあります。


以下では、それぞれの具体的な流れをお伝えします。

ミャンマー現地から採用する場合

出典:法務省「ミャンマー特定技能外国人に係る手続の流れについて」


まずは、ミャンマー現地から人材を採用する場合の流れです。


基本的には、以下の手順となります。

1.現地送り出し機関へ求人票の提出
2.現地送り出し機関が求人票をミャンマー労働・入国管理・人口省(MOLIP)へ提出
3.MOLIPを通じ、在日ミャンマー大使館、ミャンマー教育・健康及び人材開発委員会の順に求人票の内容確認と承認を得る
4.現地送り出し機関がMOLIPからの求人票の承認を得たら、人材紹介を開始
5.現地送り出し機関を通じ、雇用契約の締結、事前ガイダンス及び健康診断の実施
6.支援計画の策定
7.在留資格認定証明書の交付申請(資格取得申請)
8.ミャンマー人本人がスマートカード(海外労働許可証OWIC)の発行申請
9.OWICの発行後、ミャンマー人本人が在ミャンマー日本国大使館に査証の発行を申請
10.査証発給後、特定技能外国人として日本に入国(就労開始)


以上が、ミャンマー現地から人材を採用する場合の基本的な流れです。


ミャンマーでは現地送り出し機関を通すことがルールとなっており、自社で採用する場合は手続きが煩雑でややこしく、現地送り出し機関の選定にも注意が必要です。

日本在留のミャンマー人を採用する場合

出典:法務省「ミャンマー特定技能外国人に係る手続の流れについて」


続いて、日本在留のミャンマー人を採用する場合の流れを解説していきます。


すでに日本に在留しているミャンマー人を採用する場合は、ミャンマー現地から採用する場合と比べて手続きは比較的シンプルです。


基本的には、以下の手順となります。

1.日本国内で求人活動(求人票の公開)
2.求人応募のあったミャンマー人が特定技能ビザの要件を満たしているか確認
3.雇用契約の締結
4.事前ガイダンス及び健康診断の実施
5.支援計画の策定
6.在留資格変更許可の申請(資格変更申請)
7.ミャンマー人本人が在日ミャンマー大使館でパスポートの更新申請
8.許可後、就労開始


以上が、日本在留ミャンマー人を採用する場合の基本的な流れになります。


すでに国内在留であっても、特定技能外国人として採用する場合は該当分野の技能試験の合格が必要となるケースもあるため、その点は注意が必要です。


国内在留の特定技能外国人の転職について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

〜特定技能は転職できる?条件や必要書類、注意点を登録支援機関が解説!〜

ミャンマーに強い登録支援機関を活用するメリット

特定技能ミャンマー人の受け入れに際して、採用を一から自社で行うことは簡単ではありません。現地送り出し機関とのやり取りはもちろん、受け入れ後の日本語教育や文化研修、定期的なフィードバックや支援、教育プログラムの実施など、初めからすべてを受け入れ企業側が実施することは難しいでしょう。

 

そんな時は、人事業務や一部の支援業務(定期面談や生活のサポートなど)を登録支援機関に委託するのも一つの選択肢です。また、委託する際はミャンマーに強い登録支援機関を活用することで、よりスムーズな受け入れを可能にすることはもちろん、蓄積されたマネジメントノウハウの共有などを受けることも可能でしょう。

特定技能ミャンマー人の採用・支援は「Funtoco」にお任せ


登録支援機関である「Funtoco」では、累計1,000名以上の特定技能外国人を企業様にご紹介してきました。圧倒的に高い定着率が強みで、Funtocoが紹介する特定技能外国人の企業定着率は全業種平均で85%以上、介護分野にいたっては90%以上となっています。

 

社員の半分近くを多国籍な外国人で占めており、紹介した人材や支援委託を受けた人材の支援を母国語で行える点も強みです。介護分野や外食業、食品製造業の人材紹介を特に得意としており、ミャンマーの人材紹介に強い点も特徴です。

 

日本で初めてミャンマー人の特定技能ビザを介護分野で取得したのもFuntocoです。

 

特定技能ミャンマー人を採用したい企業様や、採用したミャンマー人材の支援・サポートに手が回っていないという企業様は、ぜひFuntocoにお任せください。