日本の外食業では、少子高齢化による労働力不足が深刻な問題となっており、人手不足による倒産や閉業も増えています。
この課題を解決する一つの方法として、外国人労働者の採用がこれまで以上に注目されています。
そこで本記事では、飲食店が外国人を採用する際のメリットや注意点、就労ビザの種類、そして外食業向けに新しくできた就労ビザ「特定技能制度」について詳しく解説します。
また、記事の最後では特定技能外国人の外食人材紹介に強い登録支援機関もご紹介します。
日本で働く外国人労働者は200万人を突破
日本における外国人労働者数は、年々右肩上がりで増加しています。厚生労働省のデータによると、2023年10月末時点で外国人労働者数は200万人を突破しました。出典:厚生労働省「産業別外国人労働者数の推移」
特に、飲食業や宿泊業、建設業など労働力不足が深刻な業界での需要が高まっています。
また、国籍別に外国人労働者の割合を見てみると、ベトナム、中国、フィリピンで全体の半数以上を占めており、宿泊業、飲食サービス業に従事する外国人労働者は約23万人です(2023年10月末時点)。
出典:厚生労働省「国籍別外国人労働者の割合」
出典:厚生労働省「産業別外国人労働者の割合」
人口減少および出生率低下が続く日本において、外国人労働者は日本経済の成長に重要な役割を果たしており、今後もその重要性は増していくと考えられます。
飲食店で外国人を採用するメリット
外国人労働者の採用は、若い労働力の確保、多言語(インバウンド)対応、異文化交流の促進など、飲食店の運営において多くのメリットがあります。
以下で、具体的なメリットを詳しく見ていきましょう。
若い労働力の確保
外国人労働者は20代〜30代が多く、若い人材の採用により、労働力不足の問題を解消することができます。特に、夜間や休日などのシフトで働ける人材が増えるため、営業時間を拡大することも可能です。多言語(インバウンド)対応
外国人観光客が増加する中、多言語対応ができるスタッフは貴重です。外国人スタッフがいることで、外国語を話す観光客へのサービスが向上し、口コミやリピーターの増加が期待できます。異文化交流の促進
外国人スタッフの採用は、従業員間の異文化交流を促進し、日本人スタッフの国際的な視野を広げるきっかけにもなります。また、異文化理解が深まることで、職場環境の改善や新しいアイデアの創出にもつながります。外国人を採用する際の注意点
外国人労働者の採用にはメリットが多いですが、いくつかの注意点もあります。
法的手続きやビザの取得、言語の壁、文化の違いなど、事前に理解しておくべきポイントを説明します。
法的手続きとビザの取得
外国人を採用する際には、適切な就労ビザを取得することが必須です。後述するビザの種類や申請手続きについて理解し、法的な手続きを遵守しましょう。不法就労を避けるためにも、人材紹介会社など専門家のサポートを受けることをおすすめします。言語の壁
外国人スタッフとのコミュニケーションがスムーズに行えるよう、可能な限りサポート体制を整えることが重要です。例えば、日本語教育の提供や、バイリンガルスタッフの採用・配置、外国人向け業務マニュアルの作成などを検討してみましょう。文化の違い
その国の慣習や宗教上の理由、文化の違いによる誤解やトラブルを防ぐために、日本式の接客マナー研修や異文化トレーニングを社内で実施することも非常に重要です。互いの文化を尊重し、理解を深めることで、より良い職場環境を築くことができます。外国人が飲食店で働くための就労ビザの種類
外国人が日本の飲食店で働くためには、就労ビザを取得する必要があります。
以下では、主な就労ビザの種類とその要件を紹介します。
特定技能ビザ(1号)
2019年4月に施行された特定技能ビザ(1号)は、外国人が外食業など特定の分野で働くことを可能にする就労ビザです。申請には、分野ごとの技能試験と日本語能力試験(JLPT)N4以上の合格が必要です。また、特定技能ビザの取得には、登録支援機関または外国人の自社支援体制の整備が必要です。具体的には、入国後の生活支援、就労環境の整備、定期的な面談および報告義務などが含まれます。
技能ビザ(シェフ)
技能ビザは、主に外国料理のシェフが対象で、日本国内で外国の専門料理を提供するために必要な技能を持っていることが要件です。申請には原則10年以上の実務経験が必要ですが、タイ料理の場合は5年以上の実務経験で申請可能です。また、実務経験は正社員または契約社員としてのものに限られます。
特定活動ビザ(告示46号)
特定活動ビザ(告示46号)は2019年に新しく施行された在留資格で、日本の4年制大学を卒業し、日本語能力試験(JLPT)N1に合格している外国人が対象です。このビザでは、ホールスタッフやキッチン補助としての就労が可能です。大学で日本語を専攻した場合は試験が免除されますが、N1合格のハードルは高く、全体の人数としては多くありません。
【例外措置】留学生アルバイト
現在日本では、就労ビザ以外での例外措置として、日本に留学に来ている学生がアルバイトとして飲食店で働くことができます。しかし、留学生が飲食店でアルバイトするためには「資格外活動許可」が必要で、入管から許可を得ることで週28時間以内の就労が認められます。
以上4つのビザが、外国人が飲食店で働くために必要なビザです。
特定技能ビザが飲食店の外国人採用のトレンドに
現在、飲食店で外国人を採用する際のトレンドが、前述した「特定技能ビザ」に移りつつあります。
そこで以下では、特定技能ビザについてさらに詳しく解説します。
特定技能ビザの概要
特定技能ビザは、特定の分野で即戦力として働ける外国人労働者を受け入れるための新しい制度です。特定技能ビザの対象となる産業分野は12分野あり、外食分野はそのうちの一つで、飲食店の人手不足を補うために近年積極的に活用されています。
以下は、特定技能で日本に在留する外国人数の伸びを表したグラフです。
出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の推移」
2019年4月に制度がスタートし、2020年以降コロナ禍が収まってから、毎月急激に在留人数が伸びていることがわかります。
また、以下のグラフを見ると、分野全体に占める「外食業」の割合が年々増加していることがわかります。
出典:出入国在留管理庁「分野別特定技能在留外国人数の推移」
以上から、今後ますます特定技能が企業や飲食店の外国人採用のトレンドになっていくことが予想されます。
特定技能ビザ(外食)の在留期間
特定技能には1号と2号の2種類がありますが、現状は1号で在留する外国人がほとんどです。特定技能(1号)の在留期間は1年、6か月、4か月のいずれかで、最長で5年間まで在留期間を延長できます。
特定技能1号から特定技能2号に移行することができますが、移行するには2年間の店舗管理(副店長、サブマネージャーなど)の実務経験が必要です。
2号に移行できると、更新さえすれば制限なく日本に在留することができ、家族帯同も可能になります。
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飲食店で特定技能外国人を採用する方法
飲食店で優秀な特定技能外国人を採用するには、経験豊富な登録支援機関を活用することが効果的です。登録支援機関では、外食業に適切な人材のマッチング、ビザ申請手続き、入国対応、受け入れ後の教育や生活支援、定期面談、トラブル対応など、包括的な支援を行なっています。
この全てを自社で行うことも可能ですが、初めて特定技能外国人を採用する場合は登録支援機関をまず利用する場合がほとんどです。
一方で、外国人材が早く職場に適応できるよう、受け入れ企業(飲食店)も積極的に日本語や日本文化の研修を実施し、既存スタッフとのコミュニケーションを促進することで、労働環境を整え、定着率を高めることも重要です。
特定技能外国人を採用したい企業(飲食店)は、外食人材の紹介・支援実績が豊富な登録支援機関を活用しましょう。
特定技能「外食」に強い登録支援機関Funtoco
特定技能「外食」人材の紹介・支援が可能な登録支援機関である弊社「Funtoco」では、累計1,400名以上(うち外食分野300名以上)の特定技能外国人を企業/飲食店様にご紹介してきました。
圧倒的に高い人材定着率が強みで、Funtocoが紹介する特定技能外国人の企業定着率は全業種平均で85%以上となっています。
社員の半分近くを多国籍な外国人で占めており、紹介した人材や支援委託を受けた人材の支援を母国語で行える点も強みです。特に、外食人材や介護人材の紹介を得意としており、「ネパール」「ミャンマー」「インドネシア」の人材紹介に強い点も特徴です。
人手不足にお悩みの飲食店様はもちろん、外国人採用に不安がある飲食店様、あるいは採用した外国人材の支援・サポートに手が回っていないという飲食店様は、ぜひFuntocoにお問い合わせください。